漫画の話【あずみ】
引き続き、無料の漫画のアレで読んだ作品のアレ。
あずみ
上戸彩の映画化などで既に有名ですね。
しかし、登場人物でググってもあまりレビュー出てこない気がして。
天下泰平のために隠れ里で育成されたスゴい殺人集団の中の唯一の女の子、あずみの物語です。
これも割とお色気路線です。
※ネタバレ注意
旅立ちの時を迎えたあずみたち。
あずみたち十人の育ての親、小幡月斎から「好きな者と二人組を組め」と言われます。
素直に正統派イケメン枠のなちと組むあずみ。
下された命令は組んだ者同士で「今から皆さんに殺し合いをしてもらいます」というものでした。
小幡月斎がうさんくさくて、いきなりロワイヤルなことを言ってくるので「逆襲劇になるのかな?」と思ってましたが違いました。
「天下泰平のために使命を果たすにあたって、心を殺せるか」を試すためだったみたいです。
こんなんなら「よ〜し、二人組組め〜」で最後まで余ってた方がマシだ!と思う私は殺し屋になれない。
そんなわけで絶対しぶとく生き残りそうだったイケメン枠なちは、好き合っていたあずみと組んだため、あっさり今作から退場してしまいます。
あずみ的には一緒に育ってきたので、恋人というよりもお互いの実力を認め合う友として見てきたようですが、なちは違う見方をしていたようで辛いですね。
ストーリーを語ると熱くというより長くて大変なので印象に残った面々をそれぞれ紹介していきます。
順不同。
うきは
クールですが、あずみの実力は認めていて、女性としても意識していた模様。
あずみのファーストキスの相手でもあります。
クールながら、あずみのことを思っていて、それが最後までわかるような切ない終わり方でした。
ひゅうが
純粋な思春期の男の子!現代が舞台の漫画にも出てきそうな繋がり眉毛くん。
性のことに疎いまま隠れ里で過ごしてきたので、外の世界で見る大人の女性に興味津々です。
同じ年代のやえと出会い、片思いのまま別の道を歩むことに。
寂しくてそっけない別れ方をしたことを悔やんで、やえを追いかけていく途中で最上美女丸(北斗の拳のユダ的な)とかいうオカマサイコパスに倒されてしまいます。
「転校してしまう片思いの女の子とそっけない別れをして、改めて想いを伝えようと思ったところに交通事故」みたいな、こちらも歯がゆい感じの終わり方です。
しかも変なのに殺されてしまうので更に悔しかったです。
人柄が人相に現れています。
まつげバサバサ、ツルッとしたフォルム。虫や花を愛でる平和なお方。
あずみが純粋に好きだが、後にでてくる徳川一族とは違い、権力を盾にあずみを手に入れようとはしない無垢な人。
心が少年のままで些かお殿様には向かない感じです。
最後には切腹を嫌がり泣きわめき、家臣と母に叱られ、あずみから「僕と契約して自由の身になろうよ」と言われて、心惑わされそうになります。
しかし、最後の最後で自分を守るために死んだ家臣たちの死体を目にして
「みんな生きたかったはずだが、自分だけ のうのう と生きていくわけにはいかない」と立派に切腹するのです。
お殿様だから切腹するぞ!っていう豪胆な終わり方じゃなく、彼らしい終わり方だったなと思います。
身分制度や生まれた家に囚われるこの時代ならではだと思います。
現代なら…って場面が結構あるんですよね…。
数馬
これはイケメン枠じゃなかったのか?!
あずみと覗きをするだけの人になってしまいました。
それによってダイレクトにあずみに「性」を教えるのですが…。
小学生が裏山や橋の下で見つけたエロ本的な役割で良いのか?
ちょっとよくわからん。
小山ゆう先生の過去の作品「サムライ数馬」とは違うのよね?
倉石左近
左近さま〜女郎となったやえが惚れる剣豪です。
窓の外を眺める左近に寄り添うやえ、左近の指にじゃれて甘噛みしたりとベタ惚れな様が切ない。
あずみをストーカーしつつ、上の刀と下の刀で狙ってましたが、男のプライドはしっかりありましたね。
千代蔵
姉のお鏡の言うことを聞いて、褒められるのが嬉しい様子。
お鏡亡き後は責任を感じたあずみが引き取り、絆を深め合っていきます。
あほぅ!?とかうひょ〜?とかしか喋らないんですが、あずみとは手でコソコソとコミュニケーションを取れるまでになってます。
最初はものすごく苦戦してたのに、いつの間にか滞りなく出来ていることで一緒に過ごす時間の長さが伺い知れます。
おんというちょっと鈍臭いけど優しい男の子に懐かれてて、少し離れるくらいでも泣かれてて微笑ましい。
あずみも安心して甘えられる存在でした。
あずみを守るため一生懸命なのが最後までわかる、悔しい終わり方。
きく
男の娘ってやつですか。
スパイ組織のお頭が絶対的存在になっていて、その存在に依存し、怯えながら、スパイとしてあずみを殺そうと近づいてきます。
最後にはお頭を殺したことで解放され、感情が抑えられなくなり泣きじゃくったり、「ずっと一緒にいたい!」とあずみに抱きついたりしてました。
変化っぷりに驚きましたが、それだけ心の負荷だったんだな〜…
あずみも仲間が出来て嬉しくて一緒に遊んだりして楽しんでたのに…酷い最期を迎えます。
酷すぎて腹が立ちすぎて涙が出ました。そりゃあずみも皆殺しにするわと。
きく〜きく〜(泣)
真弓俊次郎
あのさぁ…
まだ道々の輩に居て烏丸天山を信頼してた頃は良かったのになぁ。
この人も武力より学力!時代が時代なら立派に認められて生きていく道はあったな…っていうタイプです。
さらには変な宗教やマルチ商法にハマってくタイプの人でした。
雪の国編からおかしくなるんですが、その前からクッソ真面目な坊ちゃんだなぁ〜と思って居たのでまぁそういうタイプだったんだと。
よく笑う髭面の寛容なアイディアマン、おっさんキャラとして最強に愛されるタイプの烏丸天山を痛めつけたのは、バカタレ!って頭ひっぱたきたくなります。
雪の国編は全体的に胸糞が悪いです。
最後はラリパッパになり、孤独に呆気なくこの世を去ります。
現代でも現代でもって言うけど、一歩間違えれば現代でも普通にあり得る終わり方でした。
気をつけないと…
飛猿
すこしミ◯キーテイストなお顔の忍者。
最初は敵対勢力だったのですが、徐々に信頼関係を築いていきます。
話が進むと、飛猿がいれば…!という気になってきますが、怪我したり気絶させられたりとなかなかツイてません。
年上らしく落ち着いていて、甲斐国編の枕投げも最初は離れているんですが、あずみにすっかけられてから参戦するあたり良い奴だなぁと思います。
酒に酔ったあずみの話を、虎之助と彦四郎と聞いてる時の呆れ顔もツボでした。
「あずみにおいて唯一の生き残り」と言われるだけあってあずみと近づきすぎず、遠すぎずな関係です…。
切ないぜ…。
兵介や武信は安牌(失礼)ですが、そこで普通の女の道よりも、使命のために命を狙われる道を選ぶのがあずみです。
武信は、家臣と民衆からの信頼が厚い理想のリーダー。
心なしか、民衆や家臣の家族背景が細かく書かれていた気がします。
兵介はなんか普通すぎて書くことないな。
あずみの由来の「安曇野」へ行くついでに、小幡月斎の故郷だった甲斐国をめざす途中で会う仲間もコミカルでした。
豪山&紋のコンビは癒しだったな〜
一緒に育ってきた9人の仲間と、その日々、小幡月斎がずっとあずみの心の中にあるため、
「仲間」としてやえ、きく、千代蔵、かがり&はつね、兵介、虎之助&彦四郎、豪山、万様などと一旦は仲良く過ごしてても
命を狙う輩にすぐ拉致られたり殺されたり…。
なので、割と「周囲を巻き込まないように」行動はしているのですが、なんだかんだ仲間が出来てしまいますね。
あずみは一人で黙々と生きていくかっこいい女スパイなんかじゃなく中身は普通の少女だなぁと思います。
使命のために普通の女の道は捨てたけども。
天下泰平の使命のため→やえに会うため→死んでいった仲間が見ている使命のため
生きるって感じに変わっていきますが、それだけではあずみらしく過ごせないと思います。
奇跡的に飛猿が生き残ってるので見守ってて欲しいです。
小山ゆう先生の絵柄も綺麗ですね。
これは人間か?というレベルにデフォルメされたモブキャラも何故か馴染んでます。
あずみの一枚絵はカラーじゃなくても「美人だなぁ…」と何度か見惚れてしまいました。
あずみには女性らしい肉感もありました。
個人的に柔らかそうでいて普通に居そうな体型の女性を描ける漫画家さんは問答無用で上手いと思います。
あと子供達が可愛い〜の。
あずみが例えば特技のコマ回しを披露したり、魚を手づかみするとき、悪ふざけを仕掛けるときに見せる
ちょっと悪い顔( ≖ิ‿≖ิ)←こんな感じ が可愛いです。
そんなわけで書きたい放題書いたあずみでした。