そのうち日記

ありきたりなことを書く

凡人の筆【古民家について】

すっかり更新も滞ってますね。

いきなりですが実家が古民家で好きでした。

住んでる時点で果たして古民家なのかというアレはありますが、手入れが大変で愛着が凄くあります。

 

うちの概要としては明治維新の時に、家の裏の山から木を切り出して作ったらしいこと。

文明開化の音がするwwウェーイww」カンコンカンコン)って感じで建てたんでしょうね。

親から聞いた話によれば、釘とかは一切使われていなかったそうです。

宮城の沿岸なので地震がやたら多いのですが、震度6くらいの地震だけなら全く問題なかったようです。

全体的にガタついてたから衝撃緩和されたとかなんですかね。

ラーメンの出前の原理的な…。

 

 

古民家の良いところ⑴

寒暖がダイレクトに伝わる。

寝てたのは、雨戸と障子しか外との隔たりがない部屋。

冬はガチガチです。

修行僧か!って感じで寝てました。

夏はクーラーなんぞなく、扇風機と蚊帳で凌いでました。

でも、表から見えないところの障子は開けっ放しで寝てたので風通しは良かったです。

夏は開けっ放しなので風通しがかなり良いです。

でも近所でよく見る人慣れした猫とかが家の中に居たりして少しアドベンチャー

 

古民家の良いところ⑵

扉の向こうでタイムスリップ

かくれんぼしてて、階段下の物置に隠れてたんです。ハリーポッターか!

物置の内張は、明治や大正のチラシや新聞など。

「だっせww」ってなるようなファッションや「昔の人何考えてんだ」ってな広告がやたらありました。

あと、屋根裏に忍び込んだ時は屏風や火鉢があって「これ呪われてるやつだ!」とか言いながら逃げました。

 

古民家の良いところ⑶

変幻自在のスペース、これには匠もびっくり

いや皆さんも既知だとは思いますが。

障子や襖を外せば、6畳の部屋が連結して、30畳くらいになったりします。

組み合わせ次第では、お葬式会場とお坊さんの準備室を兼ねたり、お祭りの打ち上げ会場と準備室を兼ねたりします。

 

古民家の良いところ⑷

大掃除がめんどくさい

良いところなのかって話ですが、古民家って大きな神棚ありますよね。

あれをお盆の前と正月の前など、お客さんが来る前に家族で掃除します。

子供の時はその時にわざわざ親とか祖母が説明してくれました。

この神様はあーでこーで。これはこんな意味があって。

神棚は神道のものでしたが、日本の神話とか読むと「あぁ、あの人こんなことやってたんか…」ってなって面白かったです。

あと、台所の裏には窯神様とか井戸のそばには水神様も居ました。

今のお家でもあったりしますね。

入学だの卒業だのの折には、神棚と仏壇におかげさまで〜どうもどうも〜と報告してました。

 

古民家の良いところ⑸

開かずの間がナチュラルにある

ただ単にうちの話なんですけど、中学くらいから与えられた屋根裏部屋の奥には座布団がやたら積み重なっており、その向こうに扉がありました。

どうやら大座敷の上の、縁側の真上を通れるスペースだったみたいです。

一度も入ったことのないスペースは物置とかにもありました。

 

古民家の良いところ⑹

布団がものすごく干せる

大きい家なら干せるとは思いますが、縁側をほぼ全面使えば、お客さん用のものまで干せました。

 

古民家の良いところ⑺

自然と調和した目覚まし

キツツキが柱つついてました。朝に。うるせえ

あと、目が覚めたら掛け布団の上にへっぴり(カメムシ)がいて目が合いました。

心地よくはないけど、すぐ目が覚めました。 

 

古民家の良いところ⑻

歴史が身近

天井にある穴について尋ねたら「戦争の時に上から狙撃されたんだよね」って言われました。

あと昔話でしか見たことない囲炉裏について話してたら祖母が絨毯をペロリとまくって「ほら、これだよ」と言ったときはびっくりしました。

囲炉裏は使われてませんが、茶の間や大座敷にはデフォルトで囲炉裏に蓋をした凸凹ゾーンがあります。

 

古民家の良いところ⑼

住居内サバイバル

現代でもGとの格闘があったりしますが、まず古民家は闇が怖い

夜になると勝手知ったる自分の家、電気が無くても歩けますが、消す時がものすごく怖い。

おばけの怖さは昔からありましたが、虫を踏むんじゃないかとかそういう点で緊張感溢れる毎日を送ってました。

電気、ものすごくありがたい

 

古民家の良いところ⑽

忘れた頃に出てくる漬物

味噌、梅干し、梅の砂糖漬けなど、祖母や曽祖母が作ってる前提です。

蔵を探っていたら祖母が戦前の味噌を見つけてきました。

恐る恐る食べてみましたが大丈夫でした。

あんまり味変わらないよ。

 

 

高気密高断熱の住みやすい家も便利といえば便利ですが、なんとなく野生の生き物から抜け出せていないようなガバガバ古民家が私は好きです。

最近この実家が建て替えられましたが、大工さんの話によると、昔の家の縁側や出入り口に使われていた石がかなり良いものだったそうです。

石の各面にそれぞれ違った模様?彫りがしてあって、「昔の職人さんが技量を見せようとしてする仕上げだ」とのことです。

石がいいというよりも、職人さんの腕が良かったんじゃないか…

これは登米の教育資料館のですが、雰囲気的にこんな感じでした。

f:id:sengayk:20180413152023j:image

 

今更、建てる時の職人さんの技量を知ったわけですが、改めてうちの一族が何代も長く長く愛した家屋だったなぁと思いました。

実家の座敷で祖母が花嫁衣装を着た写真、父や祖父の兄弟たちが落書きした柱、欄間からの光、怖い木目…

このポンコツぅ!と思うところもありましたが、大好きでした。

 

前々から書いていた記事でしたが、深夜のNHKの番組で、日本初の高層建築「霞が関ビル」の設計者池田武邦さんが、日本人の精神性などと絡めて建築を語っていたので、改めて追記したりなんだりしました。

主に家屋とその周りの環境に焦点を当てた番組内容でしたが、非常に興味深いものでした。

 

新しく建てた家も親と職人さんがかなりこだわって建てたようなので、子々孫々大切にしていきたいです。

さよなら昔の家!よろしくこれからの家!