そのうち日記

ありきたりなことを書く

県南の話【雛とピザ・丸森】

伊具郡丸森町の斎理屋敷に行ってきました。

つるし雛が見たくて見たくて。

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鶴岡地方でもつるし雛の展示があるみたいで、機会があれば行ってみたいです。

 

県南地域、山元町から角田市、そして丸森町へ。

丸森町は確かイノシシがいる最北端と聞いていましたが、今調べたら栗原地域でも見られるようですね。

丸森町出身の方がうりぼーが可愛いんだよ!(((o(*゚▽゚*)o)))と言ってたのを覚えています。

 

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江戸時代後期から昭和初期にかけて、呉服・太物の商売に始まり味噌・醤油の醸造、縫製業など幅広い事業を展開し、七代にわたり栄えた豪商、齋藤理助氏。
その屋敷および収蔵品すべてを町が寄贈を受け、「蔵の郷土館」として開放したのが齋理屋敷です。
当時の衣類や美術品などが展示されている7の蔵(1棟非公開)と2つの邸宅。
2010年には、蔵や石風呂などの6つの建築物・工作物合わせて12の建造物が国の登録有形文化財に登録されました。

引用:蔵の郷土館齋理屋敷 – まるもり – 丸森町観光案内所

 

ほうほう。佇まいから立派な屋敷なのがよく伝わってきますよ。

入館料を払い、早速中へ。

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入ったすぐ左手に石風呂がありました。

花崗岩を使ったものです。

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結構深いです。

昔の家は、そもそも暮らしていた人たちが自分たちの生活のために改築することが多いので、昔のお風呂を見るのは珍しい気がします。

立派な作りですし、しっかり残したところに好感が持てます。

パンフには沸かしたお湯を風呂に入れて使っていたそうで、朝から準備が必要だったみたいです。

ボタンをピ!だけで風呂が沸く時代、何をするにも労力が必要だった先人たちへは無条件にリスペクトを…。

 

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中庭もしっかりあります。

右手の建物の中でつるし雛が飾られていました。

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入ったところに土間と囲炉裏。

今年の干支、戌のぬいぐるみがお出迎え。

可愛い!

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犬が徒党を組んでいます。

 

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左手側には早速お雛様。綺麗に飾られています。

右手には目玉木(めだまぎ)。

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というかコレって地域で呼び方が違うらしいです。

餅飾りとか呼ぶところもあるのかな?

養蚕やってるところだと繭玉飾りなのかな?

 

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座敷に上がるとつるし雛やさまざまなお雛様がいました。

そして、施設の方(地元のご年配の方)が座敷の真ん中の火鉢で暖まっていて、時々説明をしてくれました。

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着物が綺麗でした。

花嫁装束かな。

私の家にも古い写真があって、祖母の花嫁姿の写真がありました。

昔の田舎の家だったので、家の座敷で披露宴?お披露目会?をしたそうです。

冠婚葬祭が実家で済むって今では珍しいですね。

 

一番奥には大きな雛壇。

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よく見るとお雛様とお内裏様の座る位置が逆です。

西洋文化を取り入れる前は、向かって右側上座でした。

京都御所は南向きで、太陽が昇って一番最初に陽が当たることから向かって右側上座だったようです。

大正天皇が即位する際に、西洋式に天皇が向かって左、皇后が右に立たれたことから、関東では向かって左側にお内裏様、向かって右側にお雛様が座るようになりました。

関西圏や、地方・家によっては昔と同じ位置に設置する場合もあるそうです。(説明していただきました。)

このひな壇で一番目を引いたのが彼でした。

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スフィンクスみたい…とか言って笑ってましたが、普通に赤ちゃんです。ごめんなさい。

 

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こちらのお雛様。

お内裏様が酒瓶を、お雛様が盃を持っています。

説明してくださった方「これを作った女性がお酒好きなので、お雛様が注げって言ってんだよ

私「カカァ天下なんですね…笑」

ユーモア溢れる手作りのお雛様。

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流行ってるのでつけまつげをしてるそうです。

作った人のエピソードも交えた紹介にクスッとしました。

 

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こちらのお雛様、最初見たときは全員後ろを向いてるのかと思いましたが、丸い体系なのでそう見えただけでした。

こちらはほっき貝の貝殻に衣装などを重ねていって作ったそうです。

県南はほっき貝が名産ですが、資源保護のために9.5cm以上のものしかとらないそうです。

そ、そんなに大きくなるのかー!

よくよく見ると一人一人体系が違うのが個性的。

 

この座敷は上は吹き抜けになっていました。

上から見た図

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下の暖気を上に留まらせたりしてもともと養蚕で使われていたのかな?

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古い家は必ず神棚がありますね。

他にも庭には水神様などが鎮座していました。

 

ベランダに出られたので出ました。

鍵はあのくるくるやって抜くタイプの鍵です。

懐かしい。

中庭が見下ろせますが、街灯は御影石だそうです。

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他の蔵では昔の家族写真や、道具、鎧などが展示されています。

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POLAつよい。

子供が遊んでいた飛行機などが飾ってある蔵も楽しかったです。

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奥にある新館では、今はひな祭りのお茶会が催されていて、お洒落な洋風の建物の中でお茶とお菓子を食べている人たちがいました。

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男性四人で来た学生さん?が一つのテーブルを囲ってズズズ…とお茶を飲んでいる姿はちょっと面白かったです。

街の昔の様子や、街の成り立ちや歴史を説明するスペースも興味深かったです。

通りの何軒めのあそこはこういう家だった、とかが詳細でした。

〜だったと思います。など、断定口調ではなくて記憶を辿ったような語り口調なのがツボでした。

 

斎理屋敷は昭和25年に住んでいた一族が仙台へ引っ越したので街へ寄贈したものだそうです。

七代目は昭和62年にこの世を去って、一族は途絶えたそうです。

街の人たちの記憶や言い伝えを元にしたエピソードが面白く、蔵に納めてあったものが再び日の目を浴びることになり、街の人たちの大切なもの、誇りなのではと思います。

 

ジェラート屋に行こうと思ってましたが、腹が減ったのでご飯を食べに行きました。

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斎理屋敷の横がジェラート屋。

さよならジェラート

 

阿武隈川沿いにあるカフェkawa cafe

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阿武隈川の土手の下、阿武隈急行の線路のそばにあります。

角田市の民家でレストランを営んでいる方の系列店なんだとか。クリームチーズが有名です。

 

玄関が民家!ガラガラ…と戸を引いて入ります。

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店内はかなりポップ。靴を脱いで上がるところと、土足のまま座れるところがあります。

私たちは土足のまま座る席に座りましたが、足元で「ギギギ…」と音が。中沢啓治か!はだしじゃないわ

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びっくりして見ると、足踏みミシンのテーブルだったらしく、ペダルに足を乗せると音がするようでした。

 

メニューを掲げた黒板に書いてあるメニューがかなり面白い名前でした。

是非行って確かめてみてください。

丸森産の鶏や近隣の食材を使ったメニューがたくさんあります。

マルモリータ(ピザ)と阿武隈カレーを注文。

 

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ピザのビジュアルがオシャレ!お花畑や〜

そして肝心の鶏肉(丸森産)がふわふわしてて美味しい!

これは親子丼案件でしょう。

花も、想像をいい意味で裏切って味の邪魔をしません。

ピザの生地がカリカリしていて珍しいなと思いました。

ピンクペッパーの香りが感じられて美味しかったです。

 

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阿武隈カレーは最近出たメニューだそうです。

ビジュアルが楽しい!

店員さんが説明してくださったのですが、サラダが山、カレーが阿武隈川、卵が舟下りの船、長いご飯が土手、四つ並んだご飯が高架、ごぼうが線路、二つ並んだポテトが列車で「ABUQ」(阿武隈急行の愛称)の文字が書いてあります。

お店だとわかるのですが「土手が決壊した!」とか地形と反映させて食べられるので楽しかったです(冗談じゃない…!)

カレー自体もスパイスが効いてて「これなんの味なんだろ?美味しい!」と言いながら食べました。

 

このお店ではライブなども行なっているようです。

そして舟下りのお供にピザを頼めるそうです。

コーヒーのメニューに猫神さま、ピザやカレーの上に猫の形の薄切りジャガイモが乗ってるのですが、猫ゆかりのなにかがあるのでしょうか。

斎理屋敷も普段は猫の置物があるそうです。

そこらへんは次行った時に聞けたらな〜と思います。

 

阿武隈急行も是非乗ってみたいですし、丸森から福島までの川沿いの道も気になります。

足を運べば楽しいものが見つかる宮城県南地域はもっと行きたいです。