音楽の話【ヒップホップとの付き合い方】
私は糞真面目おしとやかガールなので、ラップは苦手でした。
そんなピアノとぬいぐるみだけが友達系女子の私がヒップホップを聴くようになった経緯を整理整頓。
音楽は好きなんですけど、ピアノとか吹奏楽とかジャズなど、まぁ「楽器演奏の技術が伴う」音楽しかリスペクトしてきませんでした。
歌手に関しても単純に好みの声質だとかコード進行が良いとか。
あと作曲できる人とか、楽器もちゃんとやる人。
ラッパーといえば
「東京生まれ HIPHOP育ち 悪そうな奴は大体友達」のイメージしかありませんでした。
あとオレンジレンジとかリップスライムとかが流行ってる時代に小・中学生だったので、思春期に反発しまくってた私はサビ以外はお経唱えて、結局歌うんやんけ!って思ってました。
治安の悪そうなこと言う人らはトラックに乗せてただ言いたいことを言うだけ。
内容はイキってるけどそれってかっこ悪くない…?
そんなわけで中学生の頃はなぜか古い時代のロックとかソウル・ファンク・ジャズの洋楽とか雑多に聴いてました。
最初にラップの入った曲を聞いたのが椎名林檎と、ライムスターMummy-D&SUPER BUTTER DOGのギタリスト竹内朋康のマボロシがfeat.した曲。
その頃は椎名林檎の曲は生録でもなんでも聴きたいので、マボロシのCDも借りてきました。
動画とかitunesで見つかりませんでした…。
結構お気に入りでした。
当時の唯一の椎名林檎好きな友達と流行のイントロのMummy-Dの「オッオッオッオッ」を真似したり。
そんで、このラッパーの声聴いたことある気がするぞ…?と気づきました。
当時(高校生)椎名林檎と並んで聴いていたクレイジーケンバンドの「肉体関係 Pt.2」です。
今思うと、椎名林檎とクレイジーケンバンドってどんな食べ合わせだと思いますが、近年冨田ラボの「Joyous」でコラボってます(俺得)
冨田ラボ 「Joyous」
クレイジーケンバンド 「肉体関係 Pt.2」
Rhymester&CKB_肉体関係part2 - YouTube
ここで「ラップって割とどんな曲にも合うのね〜」と思うようになりました。
というか、Mummy-Dの声質が程よいというか。
キンキン声高くもないし、「おれはやるぞおれはやるぞ」感があまりない。
そんなわけでマボロシの別のアルバム「ワルダクミ」の「ファンキーグラマラス Pt.2」とかが聴きやすくて聴いてました。
マボロシ「ファンキーグラマラス Pt.2」(「ワルダクミ」収録)
マボロシ MABOROSHI - ファンキーグラマラス Part2 feat KREVA - YouTube
ちなみに、当時付き合ってたワルめの彼氏がヒップホップ育ち(笑)だったのでお前はヒップホップを知ってるかと聞かれ
「ラップ?クレイジーケンバンドの肉体関係でfeat.したライムスターとか、マボロシのファンキーグラマラス(マボロシの)とかくらいしか聴かない」
と言ったら
「マボロシは知らんけどファンキーグラマラス(KREVAの)は知ってる」と言われたのでyoutubeでかけたんです。
KREVA名義のアルバムに入ってた方の(↓のファンキーグラマラス)のアウトロが最初に微妙に入ってる動画でした。
彼は聴き覚えがある&心酔するKREVAのファンキーグラマラスが流れてきたのでノリノリで歌い出しました。
「これ知ってる!
♪おい!♪すげーきてんぞ!♪まじではんぱな
のあたりでアウトロが終わり、聴いたことのないPt.2がはじまり途方にくれる
という、彼にとっては恥ずかしい思いをさせてやりました。
KREVA feat.Mummy-D 「ファンキーグラマラス」
こっちはイキってるのであまり好きではないです。
ギターの音と、程よく肩の力が抜けてればラップも聴けるなと気づくわけです。
そこから韻シストとかを自主的に聴くようになります。
この人たちは管楽器入ってて好きです。ダンサブル。
韻シスト 「On&On」
正直、リリックはあまり聴いてません。
世間に訴えたいことのあるラッパーのみんなごめん。
ノリのいいトラックであれば聴いちゃうぞ〜くらいのノリです。
前述のヒップホップ育ちの彼氏ですが、20歳くらいで落ち着いたのでしょうか、オラオラ系とはまた違ったラッパーにハマり始めました。
鎮座Dopenessです。
最初聞いたときは「ラリってんのかな?」と思いました。
何言ってっかよくわかんない。
でもリズムの切り替えとか、どこでフレーズを反復するかとかのセンスが良い。
フリースタイル見てると、「言葉に詰まったからyeahとか唐突に言ったりahとか唐突に言ったり気に入ったフレーズを次の言葉が出てくるまで反復」とかよくあるんだけど、パフォーマンス含めそれを感じさせずいいアクセントにしてる。
あとほぼ詰まったりせずに流れるように言葉が出てる。
これはすごい。
鎮座DOPENESS 鎮座ドープネス @ CISCO 1 - YouTube
※公道では他人の邪魔にならないようにしましょう。
「100%RAP」は歌っちゃってるじゃんって思いましたが、「能天気野郎」とか心地よくて聴いてました。
鎮座Dopeness 「能天気野郎」
「これ好き」ってことでyoutubeの関連動画とか、itunesのこれを購入した人はこれも買っていますとかを徘徊するんです。
そこで見つけたのはPSG。
PSG「寝れない!」
曽我部恵一 feat.PSG「サマーシンフォニーVer.2」
曽我部恵一 feat. PSG - サマー・シンフォニー Ver.2【Official VIDEO】 - YouTube
PUNPEEとS.L.A.C.KとGAPPERの三人グループです。
PUNPEEに関してはレッドブルのCMでそのセンスを見せつけています。
RedBull レッドブル 翼を授ける テレビCM ナポレオン編 - YouTube
この人はなんとなく好きです。
まさかの加山雄三(若大将)の「お嫁においで」をサンプリングしたりと面白い。
お嫁においで 2015 / 加山雄三 feat. PUNPEE - YouTube
面白いと言えば般若とかだと思いますがまだ手をつけてませんね…。
そんで原点回帰ですか。スチャダラパーです。
当初は「サマージャム'95」とfeat.小沢健二「今夜はブギーバック」をやたら聴いてました。
聴きやすい。
聴きやすいけど、「サマージャム'95」はなんか聴いたことがある。
「Montara」です。サンプリング元がジャズナンバーでした。
ブギーバックのサンプリング元も貼っておきます。
Bobby Hutcherson「Montara」
これは前述の鎮座Dopenessと環Roy(仙台出身)とU-zhaanの「サマージャム」
鎮座DOPENESS×環ROY×U-zhaan / サマージャム'95 - YouTube
愛される楽曲ですね。
小沢健二 featuring スチャダラパー - 今夜はブギー・バック(nice vocal) - YouTube
Nice & Smooth 「Cake and eat it too」
Nice & Smooth Cake and eat it too - YouTube
こちらも様々なアーティストがカバーしています。
ヘェ〜!ジャズナンバーをサンプリングするのか!と目から鱗。
たぶんそれまでもあったかもしれないけど初めてサンプリングに興味を示す。
でもサンプリングの面白さって、中学生の頃にハマってた電気グルーヴの「JOE」からも少し学んでた気がします。
電気グルーヴ「JOE」
↑もうめちゃくちゃやってますが「いいぞいいぞ」と言いたくなるような勢いがあります。
じゃあ、いい感じのヒップホップナンバーからサンプリング元調べれば二倍楽しめるじゃん!っていう謎の発想。
ジャズナンバーをサンプリングしてる人を調べたらDJ Mitsu the beatsが出てきた。
ヒップホップグループGAGLEのトラックメーカーです。
驚異の顎髭率の高さ
これは身体揺らすしかないでしょ
DJ Mitsu the Beats Boiler Room Tokyo DJ Set - YouTube
feat.José James 「Promise in love」
DJ Mitsu the Beats "Promise In Love feat. José James" - YouTube
José Jamesって日本のアーティストと結構関わってますよね。
椎名林檎もですが、SOIL&"pimp"sessionsなどとも楽曲制作をしてました。
SOIL&"pimp"sessionsについては、ライムスターや椎名林檎、ペトロールズの長岡亮介(元東京事変二期のギタリスト)とも楽曲制作をしています。
GAGLEの曲だと、コロナ&ライムが曲も映像も美しくて好きです。
feat.BONNIE PINK「コロナ&ライム」
GAGLE feat. BONNIE PINK 『コロナ&ライム』 - YouTube
feat.BONNIE PINKです。
BONNIE PINKもSOIL&"pimp"sessionsと楽曲制作を行なっており、この曲もいい。
tofubeatsとfeat.した曲も好きでした。
BONNIE PINKはfeat.すると、更に魅力が増す感じがあります。
お気づきでしょう、というか今更言われても困りますが、「ヒップホップ+ジャズ=R&B・ソウル」なのです。
これは私の元々の趣味になります。
それまでは点と点でしか接していなかったので、「食わず嫌い」していたわけですが、長い音楽の歴史の中で当然「流れ」があったわけです。
恥ずかしながら、それに気づくのがかなり遅くなってしまいました。
このようなジャンルをなんというのか?と調べたところchill outとかjazzy hip hopとか言うらしく、そこらへんもサラサラ聴いてます。
In Ya Merrow Toneとかもオムニバスでそういう曲が集まっているのでオススメです。
Nujabes - Modal Soul (Full Album) - YouTube
サムライチャンプルーというアニメの音楽も担当していました。
Jazz liberatorz
Jazz Liberatorz - Clin d'oeil - YouTube
避けてきた「金と女と権力がほしいんじゃ」系の見た感じオラついたPVの曲でも
(英語で何言ってんのかよくわかんないのもありますが)
WarrenG「I want it all」
Warren G - I Want it All Feat. Mack 10 [Official Music Video] - YouTube
サンプリング元はわかりやすいですが
Debarge「I like it」
普通のポップスで聴きやすい。
「いい感じの曲を探すため、サンプリングがいいヒップホップを聴く」というやり方もアリです。
逆に、すんごく好きな曲
Grover Washington.Jr「Just the two of us」
Grover Washington Jr. - Just The Two of Us - YouTube
この映像大好き!スチールドラムの音がいいです。
あと観客が良いです。
楽しそうに踊る老夫婦、何か極まる子供連れの男性。
音楽からいろんな人の物語を感じます。
それはさておき、これをサンプリングしたのないかなー?と探してみたらありました。
以来、よく聴く曲です。
かせきさいだぁ「じゃっ夏なんで」
調べてて「雰囲気は残しつつも別物っぽい」ものでも、コード進行やサンプリングの技術を用いて言い当てる人がいて凄いなぁ…と思いました。
あと各アーティストのガチファンの方は「feat.意外にも良い曲あるだろ!」と思われるかもしれませんが、私自身にわかなのと、feat.がとっつきやすいためfeat.曲を載せてます。
というかただ好きな曲です。
ヒップホップとラップは違うらしいですが、よくわからんのでごっちゃで明記してます。ごめんちょ
サンプリング関連、好きなアーティスト関連でどんどんジャンルを超えた輪を広めていくのは楽しいです。
最近は、音楽業界自体が緩めの方向性に感じるので、ジャンルを超えて聴きやすい気がします。
これまで「ラッパーこわい」って思ってた方も意外と接点があるかもしれません。
調べてみてはいかがでしょう。